◆真昼の月◆

ヘルパーのお仕事、職人仕込みのレシピなどを綴ります。

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パーキンソン病のA子さんは、介護度が5と最高に重度だ。
デイサービスに行くために、毎日ヘルパーが30分間の起床介助に入っている。

声掛けして起きていただき、全更衣。
洗面所に移動して、洗顔(濡れタオルによる清拭)、歯磨きうがい、義歯洗浄。
身体整容(乳液、ファンデーション、口紅)、整髪。
トイレに移動して、排泄介助の後、送迎車にお乗せする。

パーキンソン病の特徴として、朝の体調不良がある。
ぼうっとして反応が鈍く、意思疎通が難しかったり、手足が震えて、歩行が困難だったりする。
ところが、夕方になるころには、ずいぶん体調がよくなって、自力で歩いてトイレに行ったりするくらい、1日の間の状態が激変するのだ。


その日のA子さんは、朝から状態がよかった。

会話が多く、よく笑う。
更衣や身体整容に積極的で、自分で行おうとする。
「自分で歩く」と言われ、時間はかかるが、車椅子に乗らず、手引き歩行で移動する。
そんな時は、残存機能活用と自立意識尊重のために、ヘルパーは見守りを行い、必要以上、手を出さない。

トイレに入ったA子さんは、震える手でトイレットペーパーを引き出すと、丁寧に折りたたんだ。
普段は、自分でお尻を拭くことが難しく、ウォシュレットを利用した後にヘルパーが清拭を行うのだが、「自分でできるわ」と、おっしゃった。

身体を傾け、手をお尻の下に差し入れようとするのだが、なかなかうまくいかない。
「あら。困ったわ」
「お手伝いしましょうか?」
それでも、なんとか自分で拭こうとがんばっているA子さん。

「あのね。もうちょっと時間がかかりそうよ。今日はなんだか、手が短いみたいなの」

「は?」

「いつもはそんなことないのだけれど、今日だけ、右手が短いみたいで届かないのよ」

にっこりと、そんなお茶目なことを言うA子さんにつられて、私は思わず笑った。
「それは困りましたねぇ。短いなら、手が届かなくても仕方ないですよね」
自分でも可笑しそうにクスクスと笑いながら、A子さんはようやく拭き終えた。
私は仕上げの清拭を行い、手を洗っていただいてトイレから出た。

「おう、今朝はなんだか楽しそうだな。笑い声が聞こえたぞ」

ご主人が笑顔でこちらを見る。

「あら。私はいつもご機嫌よ」

けろりと答えるA子さんの笑顔に、ご主人も笑った。

かずよんさん初めまして!
私の現在の状況と照らし合わせて読ませて頂きました。
とてもほのぼのとして素敵なお話だな・・・と感じ
心が少し温かくなった気がしました!
また素敵なお話を楽しみにしています♪

トラックバックさせて頂いてますので
ご都合が悪い時はお手数ですがお知らせください。

2010.11.14 02:31 URL | レジェンドの孫 #- [ 編集 ]

レジェンドの孫さま
はじめまして。
そちらのブログも拝読させていただきました。
残存機能活用と自立意識尊重とはいえ、待っていると時間がかかります。本当はヘルパーがやってしまう方が楽だし、ヘルパーには時間制限があるので、内心は焦ります。
でも、ご本人のためにはぐっとガマン、ですよね。
私は、なるべく上手におだてて、ご自分でやれる、と思ってくださるように誘導しています。長い介護、気軽に気楽にお相手できたらいいですね。

応援しています。
でも、あんまり頑張りすぎないでくださいね。

2010.11.14 18:24 URL | かずよん #rNUx50LM [ 編集 ]















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