◆真昼の月◆

ヘルパーのお仕事、職人仕込みのレシピなどを綴ります。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
先日の記事にSドクターからコメントをいただいたのですが、文字数オーバーでしたので、こちらでお返事いたします。

サービスが開始されて、初めてヘルパーが訪問した時に、その利用者さんのことを“どうお呼びするか”というのは、大切な問題です。
一番無難なのは、苗字でお呼びすることですが、ご夫婦でご利用されている方も多いので、それだととてもややこしいのです。かといって、フルネームでお呼びするのも変ですし。



○本さんの奥さまを、どうお呼びしたらいいのか。
サービスが始まる時に、コーディネーターと相談した。
○本さんご夫婦には子どもがいないので、「お母さん」とお呼びするのは適当じゃないだろう。
やはりお名前で「しずさん」と、呼ぶのがいいのではないか。
サービス初日、「これから毎週おうかがいする、かずよんです。よろしくお願いします」と挨拶し、
「サービス中、どうお呼びしたらいいでしょうか」と、一応訊いてみた。
「そうね、名前で呼んでください」と、ご本人もおっしゃるので、「しずさん、しずさん」と声掛けをしながら仕事をしていたのだが、なんだか表情が暗い。

1か月ほど過ぎて、ようやく打ち解けてきた、と思える頃に、しずさんが真剣な顔をして言った。
「あのね、“しずさん”と呼ばないでくださる?」
「え?」何か、失礼なことをしてしまっただろうか。

しずさんは若い頃、奉公に出されていたのだという。
そこで、先輩やおうちの方に、ずいぶん苛められて、辛い日々を送ったらしい。
「しずさん」と呼ばれるたびに、その時のことを思い出し、嫌な気持ちになるのだそうだ。

「では、どうお呼びしますか? “奥さま”ではいかがですか?」
しずさんは、しばらく考えていたが、「おかあさん、と呼んでいただける?」とご自分で言った。
実の子どもはいないけれど、ヘルパーとの会話やスキンシップは、まるで親子のようだから、お母さんと呼ばれてみたいのだそうだ。

それは嬉しいお申し出で、それ以来「お母さん」と呼ばせていただいている。



港町で声を掛けてきたたおばあさんは、息子さんがいらっしゃるというので、“(息子さんの)お母さん”という意味で「お母さん」と呼ばせていただいたのでした。
いくら高齢であっても、「おじいさん」「おばあさん」という呼び方は、相手を年寄り扱いすることであり、自分の方がずっと若い、という主張に感じられてしまいます。実際、サービスに入っているお宅で訊いてみると、お嫁さんや息子さんに「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ばれることには抵抗がある、とおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。
「孫が生まれて、いきなりおじいちゃんと呼ばれたら、その瞬間から一気に歳をとったような気がした」なんていう方も知っています。
我が家で同居している義母も、「おばあちゃんだなんて、絶対に呼んで欲しくない」と言い、おばあちゃんの【あちゃん】だけを採用して、“あーちゃん”と呼んでいます。

サービスに入って、その利用者さんをどう呼ぶか。
呼び方が定着したら、その情報はヘルパー間で共有します。
事情で他のヘルパーが訪問しても、しずさんのことは誰もが「お母さん」とお呼びする――。
もちろん、「しずさん」とお呼びすると、ご本人が嫌な気持ちになることも、共有する情報です。
呼び方ひとつで、良好な人間関係が保たれるのですから、決してないがしろにしてはいけないことだと思います。















管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://tukiakarinoheya.blog65.fc2.com/tb.php/458-0cc2d7a9

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。