◆真昼の月◆

ヘルパーのお仕事、職人仕込みのレシピなどを綴ります。

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1件目の仕事を終えて2件目のお宅への移動途中で、霧雨が降り出した。
雨の多い時期なので、雨合羽は持っているが着るほどの降りではないと、濡れるにまかせて自転車をこいでいた。

駅に近いスクランブル交差点で赤信号にひっかかり、青信号を待ちながら
「これ以上ひどく降らないといいなぁ」と、空を見上げていると、誰かが傘をさしかけてくれた。
それは見ず知らずのおばあさんで、私と目が合うとにっこりして
「ほんの何分だけどね、傘にお入りなさいな」と言った。

「今日は総合病院で三つの科を受診してきたんだけど、ひどく混んでいたのよ。連休明けだからでしょうね。時間がかかったわぁ」

小さなおばあさんは、肩をすぼめて、それでもニコニコとしている。
「この歳になると、病院へ行くのが仕事でねぇ」
「病院に行くのが嬉しい人はいませんからね。お疲れになったでしょう?」
「周りも病人やくたびれた年寄りばっかり。何か楽しいことはないかしら、って思っていたの。でも、あなたとお喋りできて嬉しいわ」

やがて信号は青に変わり、人々は流れ始める。
「ありがとうございました。どうぞお大事に」と、私は言い、
「気をつけて行きなさいね」と、おばあさんは言って別々の道へと分かれて行った。

知らない高齢者から声をかけられることがよくある。
そういう人はみな、暖かい言葉をかけてくれる。
じんとする一瞬だ。

元気をもらって、私を待っている高齢者のお宅へと自転車をこぎ出した。














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