◆真昼の月◆

ヘルパーのお仕事、職人仕込みのレシピなどを綴ります。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
11時になると、90歳のご主人が出てきて木戸を開ける。
シャッターではない、木戸というのがこの店にしっくり合う。

間口の狭い、小さな店舗が現れる。
入り口の左には、郷愁を誘うカラスのショーウィンドウがあり、何枚かのスカーフやハンカチが飾られている。
どこにも看板はない。
ただウィンドウの中身から、そこがスカーフ屋さんらしいと想像するだけだ。

85歳を過ぎているというおばあちゃまが店を守っている。

もういつ死ぬかわからないから、仕入れは全部現金なのよ。
現金だから安く仕入れて安く売れるの。
儲けなんか、いまさらどうでもいいのよ。
気持ちよく買ってもらえて、気持ちよく売れたら。
売り方もね、昔のままよ。
シルクは全部目方売り。
ブランドだとか、大きさだとかは関係なくて、一匁(もんめ)いくらって勘定して値段を決めるの。
だからね、絹製品は百貨店と同じものを置いていても、安いわよ。

おばあちゃまのお喋りは軽快で、退屈しない。
ついつい、もっと長く話したくなってしまう。

上野に行くたびに、小さなその店に寄る。
おばあちゃまとお喋りして、お元気なのを確認する。
なんだか自分も元気をもらう。

いつまでもご夫婦仲良くお元気で。

今日もまた、お店の木戸は開かれるだろう。

東京都台東区上野6丁目14 丸井近く
むらさき














管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://tukiakarinoheya.blog65.fc2.com/tb.php/286-37b5a9c4

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。