◆真昼の月◆

ヘルパーのお仕事、職人仕込みのレシピなどを綴ります。

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今年の正月で、M井さんの寝たきり生活は15年目に入った。

毎日かいがいしくお世話をする奥さんは、体重39キロととても小さなご夫人だ。
「私も今年は80歳になっちゃうのよ」
と、とてもチャーミングに微笑む。
一方、右半身麻痺で寝たきりのご主人は、何でも美味しく食べる人で、一向に体重が減らない。
まるまると太っていて、おそらく体重は80キロを越えているだろう。

「私はね、100歳まで生きるんですよ」
ご主人がにこやかに言う。

ここまで寝たきりで15年。
100まで生きるとなると、あと15年寝たきり生活が続くことになる。

それは、介護する奥さんにはすごく負担ではないだろうか。

だが、奥さんは穏やかにこう言うのだ。

「毎日休まず介護していて、もしもこの人が
『死にたい、もう死にたい』
とくよくよするようなら、私は介護していても辛いと思うのよ。
死にたい人が仕方なく生きているなんて、悲しいじゃない?
お世話をする甲斐がないじゃない?」

「でも100まで生きると言ってくれるから、じゃ、今日もなるべく元気に生きましょうと思えるの。
1日の終わりに、
『今日も無事に生きられた。100歳に1日近付いたわね』
と話をするのは、とても幸せなのよ」

と。

小さな両手はあかぎれであちこち割れてしまっている。
その手を握って、「今日もよろしく、奥さん」と、ご主人が言う。
「この人が100まで生きるためには、私が95まで生きなくちゃならないのよ。それって大変よね?」

いいえ。
どうか長生きしてください。
賛美歌を歌いながら、くるくるとよく働く奥さんと、そんな姿をまぶしそうに見つめるご主人。
そんなお2人に、神様の祝福が豊かにありますように。

そんな風に思ってしまう。

今年も生きるためのお手伝い、させてください。















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