◆真昼の月◆

ヘルパーのお仕事、職人仕込みのレシピなどを綴ります。

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偶数週の木曜日。
11時から11時半の30分。K木さんの1ヶ月のサービスはたったそれだけ。
30分で歩行介助してトイレへ行き排泄介助。
そのあと残りの時間で足浴を行う。

2週間ぶりに訪問するとK木さんはすっかり夏の装いで、さわやかに待っていてくださった。
「まるでお出かけになるようですね。素敵です。お似合いですよ」
と言うと、
「父の日に娘がくれたんだよ。でもどこへ出かける予定もないし、デイサービスに行く時はジャージだからね。ヘルパーさんが来る今日、着なさいって言われてね」
薄グリーンのポロシャツ。濃いグレーの麻混のズボン。
銀のバックルが光る黒いベルトも新品なのだろう。
「これでデートに行くならいいんですけど、一緒にお手洗いへ行きましょうか」
笑いながらの私の言葉に
「そうだよねー。我が家のトイレで残念だ」
と、K木さんも笑った。

歩行器を使って、ゆっくりトイレへ向かう。
すり足歩行なので、ほんの1分で行ける距離のトイレまで10分近くかかる。
本人の残存機能活用のため、極力見守りだ。
ようやくトイレにたどりついて、両手で手摺につかまり、しっかり立っていていただく。
「では、おズボンを下げますね。しっかりつかまっていて下さいね」
ズボンと下穿きを下ろそうとしてはっとする。
そうだ。今日はベルトもしていたのだった。
バックルを探って、ベルトをはずそうとしたのだが……
はずしかたが分からない。
普通の、ベルト穴のあるものだろうと頭から決め付けていた。
けれどもどこにもベルト穴がない。
じゃあ、どうやってはずすんだろう。
S字フックでも、カギホックでもない。
カチャカチャするうちにK木さんの腕が震えてくる。ダメだ。危ない。
「すみません、K木さん。一度座っていただけますか?」
ズボンをはいたまま、便座に腰掛けていただく。
「このベルトのはずし方がわからないんです。K木さん、ご存知ですか?」
「娘がはかせてくれたから、よく見てもいないんだ。わからないよ」
ううむ。困った。

座っていただいたまま、あれこれチャレンジしていると、バックルの内側がパタンと2つに折れた。
「あ」
折れたところに隙間があり、そこからするするとベルトがはずせるようになっている。
なんとややこしい。。。

かくして、もう一度立っていただき、脱衣して排泄介助は無事に終了した。着衣時、またベルトをはめるのが大変だったけど、どうにか足浴も含めて時間内にサービスを終えた。

利用者さんが見慣れないものを着ていたら、先にチェックしよう。
反省しきりのサービスだった。














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